雪の積もった住宅街の歩道を、2本のポールを持って小さな歩幅で歩く60代の男性

冬のウォーキング|凍結路・雪道で転びにくい歩き方と杖・ポールの冬用先端

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執筆:イェウヘン・ポリシュク。本記事は、東京消防庁、札幌のウインターライフ推進協議会(札幌市消防局のデータ)、各地の労働局、杖・ポールのメーカーなどが公開している情報をもとにまとめた一般的な情報です。医療上の助言ではありません。持病のある方、歩行やバランスに不安のある方は、冬に外を歩く前に医師・理学療法士にご相談ください。

雪が降った日や、その数日後の朝。ただ濡れているように見える路面が、実は薄く凍っていることがあります。本記事では、雪道・凍結路で転びにくい歩き方(いわゆる「ペンギン歩き」)、滑りやすい場所と時間帯、靴の滑り止め、冬用の杖先(杖用アイスピック)、ノルディックウォーキングのポールの冬の使い方を、公的機関やメーカーの情報をもとにまとめました。

先に結論:雪道・凍結路で転びにくくする5つのポイント

  • 歩き方:小さな歩幅で、靴の裏全体を路面につけ、体の重心を少し前に。いわゆる「ペンギン歩き」です。大股やかかとからの着地は避けます。
  • 場所:横断歩道(特に白線の上)、マンホールのふた、駐車場の出入口、バス・タクシー乗り場、駅や店の出入口は特に滑りやすい場所です。
  • 時間:雪の日だけでなく降雪後の数日間も要注意。東京消防庁のデータでは、救急搬送は午前7時台・8時台に多くなっています。
  • 道具:滑りにくい靴を選び、必要なら着脱式の滑り止めを。杖を使う方は杖用アイスピックなどの冬用の先端を、ポールは路面に合わせた先端の使い分けを検討します。金属部分は、屋内に入る前にしまうか外します。
  • 無理をしない:凍結がひどい日や冷え込みの強い早朝は、延期・短縮・家の中の体操に切り替えを。持病のある方は、冬の運動について医師に相談しましょう。

雪の日に転倒が増える|東京と札幌の救急搬送データ

東京消防庁によると、積雪や凍結した路面で滑って転倒するなどの事故(同庁は「ころぶ事故」と呼んでいます)で、過去5年間の12月〜3月に、東京消防庁の管内で801人が救急搬送されました。雪の多かった令和4年1月には搬送人員が急増しており、雪が降るかどうかで人数が大きく変わるのが特徴です。雪の多い札幌では、さらに多くの人が冬道の転倒で搬送されています。

項目東京(東京消防庁)札幌(ウインターライフ推進協議会)
救急搬送人員過去5年間の12〜3月で801人令和6年度の12〜3月で1,813人(過去最多)。11月を含めると1,869人
多い年代50〜84歳。ふだんの転倒は65歳以上が多いが、積雪時は50代から増える70代が最も多く、80歳以上が2番目
けがの程度3割以上が中等症以上(入院が必要な程度以上)80歳以上では半数近くが中等症以上
多い時間・時期午前7時台・8時台12月が最も多い傾向。9〜16時は65歳以上の搬送が65歳未満より多い

※東京の数値は東京消防庁「積雪や凍結路面に係る救急事故に注意しよう」(2025年12月更新)より。管内は東京都のうち稲城市と島しょ地区を除く地域で、令和6年12月〜令和7年3月は速報値です。札幌の数値は、ウインターライフ推進協議会が札幌市消防局のデータをもとに公開している「冬みち転倒による救急搬送統計」より。

50代から気をつけたい理由

東京消防庁は、ふだんの転倒による救急搬送は65歳以上が多いのに対し、積雪時は50代から増えることを特徴として挙げています。搬送が多い午前7時台・8時台は、通勤・通学で急いで歩きがちな時間帯です。また札幌の協議会によると、ひと冬に転ぶ回数は若い人のほうが多い一方で、救急搬送されるのは高齢の方が多く、年齢が上がるほど大きなけがにつながりやすいとされています。誰でも転ぶことがあるという前提で、転びにくい歩き方を身につけ、転んだときの備えもしておくことが大切です。

散歩中の事故も起きている

東京都生活文化局は2016年の注意喚起で、東京消防庁の事例として、朝7時15分ごろに散歩中の81歳の男性が凍った路面でバランスを崩して後ろ向きに転倒し、後頭部を打った事故(重症)や、朝6時30分ごろに犬の散歩中の59歳の女性が積雪で滑り、手をついてけがをした事故(中等症)を紹介しています。通勤の人だけでなく、朝の散歩やウォーキングの習慣がある方も無関係ではありません。

雪道・凍結路の歩き方|「ペンギン歩き」のコツ

京都労働局は、積雪・凍結した路面を歩くときは、小さな歩幅で靴の裏全体を地面につけて歩くなどの転びにくい歩き方を「いわゆるペンギン歩き」として呼びかけています。札幌のウインターライフ推進協議会も、氷のような「つるつる路面」では、(1)小さな歩幅で、(2)足の裏全体をつけて歩くことをすすめています。具体的なポイントを表にまとめました。

圧雪の歩道を、小さな歩幅で靴の裏全体をつけて歩く60代の女性(ペンギン歩き)
ペンギン歩き:小さな歩幅、靴の裏全体で着地、重心は少し前に
ポイント転びにくい歩き方避けたい歩き方
歩幅小さく。足を高く上げずにすむ大股(体の揺れが大きくなる)
足の上げ方軽く浮かせる程度高く上げる。完全なすり足(つまずきの原因に)
着地靴の裏全体でつく(ベタ足)かかとから着地する
重心少し前に置く強い前かがみ、後ろに体重を残す
足の左右の幅適度に離す(20cm前後)左右の幅が狭すぎる
視線やや下を向いて路面を確かめる路面を見ないで歩く
ペース急がず、時間に余裕をもつ駆け足・速足

※北九州西労働基準監督署(福岡労働局)のリーフレットと、ウインターライフ推進協議会「転びにくい冬みちの歩き方」をもとに作成しました。

なぜこの歩き方だと転びにくいのでしょうか。京都労働局のリーフレットは、歩幅を小さくすると路面に垂直に力がかかって摩擦が増すこと、靴の裏全体をつけると路面と接する部分が増えて摩擦が増すこと、背中を反ると重心が後ろに移って滑りやすくなることを、その理由として説明しています。

歩き始め・速さを変えるとき・曲がるときが危ない

北九州西労働基準監督署は、坂道や傾斜のある場所、歩き始め、歩く速さを変えるとき、方向を変えるときを特に注意が必要な場面として挙げています。札幌の協議会も、横断歩道で止まった状態から歩き出すときや、急に速足になったり遅くしたりするときは転びやすいと説明しています。信号が変わりそうでも走らず、次の青信号を待つくらいの余裕をもちましょう。

ノルディックウォーキングの「大きめの歩幅・かかと着地」は凍結路ではお休み

ふだんのノルディックウォーキングでは、普段より少し大きめの歩幅で、かかとから着地する歩き方を基本にしています(ノルディックウォーキングの始め方)。ところが凍った路面では、「大きな歩幅」も「かかとからの着地」も、上の表のとおり転びやすい歩き方に当たります。凍結路では運動の効率よりも安全を優先し、ペンギン歩きに切り替えてください。

両手を空け、ポケットに手を入れない

東京都生活文化局は、ポケットに両手を入れたり、荷物で両手がふさがったりしていると、転倒したときに身を守れずけがをすることがあると注意を呼びかけています。札幌の協議会も、携帯電話での会話に夢中になるなど、何かに気をとられていると足元への注意が下がるとしています。荷物はリュックサックなどにまとめ、手袋をして両手を空けて歩きましょう。

滑りやすい場所と時間帯

同じ道でも、滑りやすさは場所によって大きく違います。札幌の協議会と労働局のリーフレットが挙げている要注意の場所を、理由とともに整理しました。

場所滑りやすい理由
横断歩道(特に白線の上)車や人に踏み固められ、停車中の車の熱で雪の表面が解けやすい。白線は水が染み込まないため、薄い氷の膜ができやすい
横断歩道と歩道の境目傾斜が変わったり段差ができたりする
マンホールのふた・排水溝のふた(グレーチング)薄い氷の膜が張っていることがある。金属は水分が付くと特に滑りやすい
駐車場の出入口・ガソリンスタンド前の歩道タイヤで雪が固められて磨かれる。車道へ下る傾斜もある
バス・タクシーの乗り場人や車で踏み固められている
駅や地下街の出入口人通りが多く段差もある。歩きやすい路面から急に滑りやすい路面に変わる
店や建物の入口(タイル張りの床)靴の裏についた雪や水で滑る。ピン付きの靴や滑り止めは、タイルの上では逆に滑りやすい
歩道橋東京消防庁の事故事例に、通勤途中に歩道橋の上の凍った路面で足を滑らせ、腰をけがした70代の方がいる

※ウインターライフ推進協議会「滑りやすい場所を知る」、京都労働局・東近江労働基準監督署(滋賀労働局)・北九州西労働基準監督署のリーフレット、東京消防庁の事故事例をもとに作成しました。雪国では、ロードヒーティング(路面の融雪設備)がある所とない所の境目も急に滑りやすくなるとされています。

凍結した横断歩道の白線とマンホールのふた、駐車場の出入口がある雪の朝の交差点
横断歩道の白線、マンホールのふた、駐車場の出入口は特に滑りやすい場所です

要注意の時間帯と天気

  • 降雪後の数日間:東京消防庁は、降雪時だけでなく降雪後の数日間も、路面凍結などで「ころぶ事故」が起きているとしています。
  • 朝の通勤時間帯:東京では午前7時台・8時台に搬送が多くなっています。
  • 日中も油断しない:札幌では、9時〜16時の時間帯は、65歳以上の搬送者が65歳未満より多くなっています(札幌の協議会)。暖かい日中を選んで歩くときも、足元への注意は欠かせません。
  • 日中に解けた雪が凍る夕方以降:日なたの雪が昼間に少し解け、日が沈んで冷えると、つるつる路面になることがあります(札幌の協議会)。
  • 雨のあとに冷え込んだとき:一見濡れているだけに見える透明な氷の膜ができることがあり、舗装の色が黒っぽく見えることから「ブラックアイスバーン」と呼ばれます(同)。
  • 氷の上に新雪が積もった日:見た目では下の氷に気づきにくく、札幌ではこうした路面の日に転倒による搬送が多かった例が紹介されています(同)。
  • 冬の初め:札幌では12月に転倒によるけが人が最も多い傾向があり、気温0℃前後の日が多いことや、まだ凍結路面に慣れていないことが影響していると考えられています(同)。

靴と滑り止め(アイスグリップ)の選び方

札幌の協議会は、雪道にスニーカーや革底の靴は向かないとし、冬靴の条件として「滑らない」「濡れない」「暖かい」の3つを挙げています。靴底には、金属のピン・金具付き、深い溝のあるもの、軟らかいゴム底、滑り止め材入りのゴム底などがあります。ただし同協議会は「あらゆる路面に対応できる、滑らない靴はありません」としており、ふだん歩く路面の様子をお店の人に伝えて相談するようすすめています。ふだんのウォーキングシューズの選び方はノルディックウォーキング用シューズの選び方で解説しています。

着脱式の滑り止め(靴用アタッチメント)

雪が年に数回しか降らない地域では、手持ちの靴に付ける着脱式の滑り止めが便利です。札幌の協議会によると、靴用アタッチメントには、つま先をおおう「つま先型」と足裏全体をおおう「全面型」があり、それぞれ金属ピンの付いたものと付いていないものがあります。金属ピン付きのものは、屋内で付けたまま歩くと逆に滑るため、建物に入る前に必ず外します。

  • 簡単に付け外しできるか
  • 軽く、かさばらず、バッグに入れて持ち歩けるか
  • 靴にきちんと固定され、歩いたときに違和感がないか
  • バンドや金具が丈夫で、すぐ外れたりしないか

上の確認ポイントは、札幌の協議会の「選び方のポイント」をもとにしています。購入したら、雪の日を待たずに、家で一度付け外しを練習しておくと安心です。ここでは、筆者がAmazonの商品ページで仕様を確認した滑り止めを2つ紹介します。順位はつけていません。

靴用滑り止め(コイル・全面型)

Yaktrax(ヤックトラックス)ウォーク

主な仕様:足裏全体に1.2mmのスチールコイル(亜鉛コーティング)、高弾性ポリエラストマー製のバンドを伸ばして靴に引っかける装着方式、サイズはXS・S・M・Lの展開(Amazonの商品ページの表記)

こんな方に:ふだんのウォーキングシューズに、雪や凍結の日だけ付けたい方。鋭いピンではなくコイルで路面に接するタイプを選びたい方

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靴用滑り止め(スパイク・全面型)

Yaktrax(ヤックトラックス)ウルトラグリップ

主な仕様:超硬スチールのスパイク10個、3D成形のハーネスと面ファスナーのストラップで靴に固定、つま先部分に大きめのキャップ、サイズはS・M・XXLの展開(Amazonの商品ページの表記)

こんな方に:凍った路面を歩く機会が多く、金属のスパイクが付いたタイプを選びたい方。ストラップで靴にしっかり固定したい方

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※どちらも金属部分があります。札幌の協議会は、ピンの付いた滑り止めはタイル張りの床では逆に滑りやすくなるとしています。駅や店に入る前に外しておくと安心です。靴のサイズとの対応は、購入前に商品ページでご確認ください。

冬用の杖先|杖用アイスピックの使い方と選び方

まず前提として、杖メーカーのシナノは取扱説明書で、柔らかな地面や雪道、滑りやすい所では杖を使わないよう求め、やむを得ず使う場合は杖だけに頼らず、同伴者などの支えを得るよう案内しています。雪や凍結のある日は、外出そのものを見直すことが第一です。

そのうえで、テクノエイド協会の資料(北海道の福祉関係者による課題の整理)では、杖が必要な方が冬道で、杖の先に金属製の爪が付いた滑り止め(アイスピック)を使っていることが紹介されています。同じ資料は、雪のない舗装路や屋内では金属部分が当たって滑ったり、床を傷つけたりするため、爪をたたむ・しまう必要があることも課題として挙げています。冬用の杖先は「付けたら安心」ではなく、路面に合わせて出し入れする道具だと考えましょう。

凍結路で使う杖用アイスピックと、先ゴムを外したノルディックウォーキングポールの金属の先端
冬用の杖先やポールの金属の先端は、屋内に入る前にしまう・付け替えるのが基本です

杖用アイスピックを選ぶときの確認ポイント

  • 杖の太さに合うか:対応する杖の直径(mm)を確認し、ご自分の杖の先端の太さを測ってから選びます。
  • 爪の出し入れを自分でできるか:建物に入る前に爪をはね上げる・しまう操作を、手袋をしたままでも無理なくできるかを確かめましょう。
  • 先ゴムの状態:アイスピックを付けていても、先ゴムの溝がすり減っていたら交換が必要です(先ゴム交換ガイド)。
  • 杖そのものが合っているか:長さや種類が体に合っていないと、冬道ではなおさら不安定になります。選び方は杖(ステッキ)の選び方ガイドで解説しています。
  • 杖の取扱説明書:杖のメーカーによっては、先ゴムを交換するときは専用品を使うよう案内しています(シナノ)。先ゴムごと付け替えるタイプの冬用先端を使う前に、お使いの杖の取扱説明書を確認しましょう。

ここでは、Amazonの商品ページで仕様を確認した杖用の冬用先端を2つ紹介します。いずれも海外ブランドの製品で、順位はつけていません。

杖用アイスピック(はね上げ式)

Lifeswonderful アイスグリップ(杖用スノーチップ)

主な仕様:5本爪のスパイク。小さなボタンを押すとスパイクを上にはね上げ、杖の先ゴムで歩ける。対応する杖の直径16〜27mm。松葉杖には使用不可(Amazonの商品説明)

こんな方に:いま使っているT字杖に、雪や凍結の日だけ爪を足したい方

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杖用先端(スパイク格納式)

ErgoCap X-Treme Terrain(エルゴキャップ)

主な仕様:杖や松葉杖の先端に取り付けるゴム製の先端。ノブを回すと小さな金属スパイクが出て、屋内では引っ込められる。1個入り(Amazonの商品説明)

こんな方に:はね上げ式の爪ではなく、先端ごと冬用に付け替えて使いたい方。対応する杖の太さは購入前に商品ページでご確認ください

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ノルディックウォーキングのポールは冬どう使う?

2本のポールは、雪の日にも体を支える助けになります。ただし、ポールがあれば凍結路でも安全というわけではありません。冬は「先端の使い分け」と「歩き方の切り替え」がポイントです。

路面に合わせて先端を使い分ける

日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)は、アスファルトなど硬い路面ではラバー製のアスファルトパッドを、芝や土の道ではパッドを外したスパイクチップを使うと説明しています。シナノもトレッキングポールについて、積雪期などで登山道が滑りやすい状況では、安全のために先ゴムを外して石突(金属の先端)を使うことをすすめています。凍った路面や踏み固められた雪の上では、パッドを外した金属の先端のほうが路面をとらえやすいと考えられます。

一方で、金属の先端は、雪のない舗装路や屋内のタイルの床では滑りやすく、床を傷つけるおそれもあります(杖用アイスピックについてのテクノエイド協会の資料の指摘と同じです)。駅や店に入る前や、雪のない歩道に出たら、パッドを付け直しましょう。パッドの付け外しと交換は先ゴム交換ガイドで解説しています。

路面先端注意点
雪のないアスファルト・タイルアスファルトパッド(先ゴム)金属の先端は滑りやすい
踏み固められた雪・凍結路パッドを外した金属の先端屋内や雪のない場所に入る前にパッドを戻す
深い新雪・やわらかい雪金属の先端+スノーバスケットバスケットはポールに合う専用品を
土・芝の道パッドを外したスパイクチップ(JNFA)ぬかるみでは足元にも注意

深い雪にはスノーバスケット

雪が積もった公園や遊歩道では、ポールの先が雪に深く沈み込みます。先端の少し上に付ける円盤状のバスケットを大きな「スノーバスケット」に替えると、沈み込みを抑えやすくなります。ただし、バスケットはメーカーや型番によって取り付け部の規格が異なるため、必ずご自分のポールに対応した専用品を選んでください。LEKIの日本代理店キャラバンは、LEKIのポールについて、バスケットを外したまま使うとシャフトの破損やパーツの紛失の原因になるため、必ず装着して使うよう注意しています。交換したあとも、外したままにしないようにしましょう。

スノーバスケット(LEKIのトレッキングポール用)

LEKI スノーバスケット(2個1組)

主な仕様:直径11.5cm、重さ50g(2個)、パウダースノーや深雪向け、LEKIのトレッキングポールに対応(Amazonの商品説明)

こんな方に:LEKIのトレッキングポールで、雪の積もった公園や遊歩道を歩く方。商品説明での対応は「LEKIのトレッキングポール」のため、ノルディックウォーキング用のポールや他社のポールには合わない場合があります

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トレッキングポールを街歩きに使うときの基本はトレッキングポールで街歩きで解説しています。

凍結した日にポールを使うときのまとめ

筆者が暮らすウクライナのキーウも、冬は雪が降っては解け、また凍る日がくり返しやってきます。凍結した日にポールを使って歩く場合のポイントを、この記事で紹介した内容からまとめます。

  • 雪や氷の上ではアスファルト用のパッドを外し、金属の先端を使う。建物や地下道に入る前にはパッドを付け直す
  • 後ろへ大きく押し出す動きは控え、ポールは体を支えるために使う。歩幅は小さく、足の裏全体で着地する
  • 日なたで解けた雪が夕方に凍りはじめる時間帯や、氷の上に新雪が積もった日は、距離を短くするか、歩く日をずらす

転びにくくする工夫はあっても、「絶対に転ばない方法」はありません。凍結の強い日は休むと決めることも、冬のあいだ歩き続けるための大切な判断です。

服装と持ち物|転んだときに備える

防寒のための重ね着など、季節ごとの服装はノルディックウォーキングの服装・シューズガイドにまとめています。ここでは、冬道で転んだときのけがに備える点だけ確認します。

  • 帽子と手袋:東京都生活文化局は、転倒した際の保護のために手袋や帽子を身につけるよう呼びかけています。札幌の協議会は、頭を守るために厚めの毛糸の帽子をすすめています。
  • 腰までおおう上着:相模原労働基準監督署(神奈川労働局)は、転倒時に備えた服装として、厚手の手袋や帽子、腰を覆うコートなどを挙げています。
  • 両手が空くバッグ:リュックサックやたすき掛けのバッグを使い、なるべく両手を空けます(同)。
  • マフラーは長く垂らさない:首まわりの防寒には便利ですが、長く垂らすのは危険だとされています(札幌の協議会)。

冬は日が短く、朝夕の暗い時間に歩くことも増えます。暗い時間の安全対策は夜のウォーキング安全ガイドも参考にしてください。

寒い日の準備運動と体調の注意

公益財団法人長寿科学振興財団の「健康長寿ネット」は、冬は寒さで血管が収縮して血圧が上がりやすくなり、心臓への負担が大きくなること、暖かい室内から寒い屋外へ出たときの急な血圧の変動に注意が必要なことを説明しています。また、寒いと筋肉が硬くなって柔軟性が下がるため、筋肉や靭帯などを傷めやすくなるとしています。同サイトが挙げている冬の運動の注意点は次のとおりです。

  • 冷え込む朝や夜は避け、できるだけ日中の日が射す暖かい時間を選ぶ
  • 十分に防寒して、寒さの影響を少なくする
  • 出かける前にストレッチや体操などの準備運動をして、体を温める
  • 冬も気づかないうちに水分が失われるため、こまめに水分をとる(高齢の方や、高血圧などの持病がある方は特に)

高血圧や心臓の病気など持病のある方、薬を飲んでいる方は、冬に歩く時間帯や強さについて、かかりつけ医に相談してから始めてください。歩いている途中で体調がいつもと違うと感じたら、無理をせず中止しましょう。

家でできる冬道への備え

札幌の協議会は、冬道での転倒に備えて家でできる体操(転倒予防体操)も紹介しています。例えば、いすの背に手を添えて立ち、両足のかかとをゆっくり上げて5秒保つ「つま先立ち」(5回)や、いすにつかまって片足を少し上げ、安定したら静かに手を離して5秒数える「片足立ち」です。どの体操も、つかまれる物がある場所で行うこと、息を止めないこと(息を止めると血圧が上がり危険)、痛いところまでやらないことが注意点として挙げられています。足腰の状態はロコモ度チェックでも確認できます。

外に出ないほうがいい日の目安

東京消防庁は、天候を事前に確認し、残雪や凍結路面を避けて、余裕をもって行動するよう呼びかけています。次のような日は、ウォーキングを延期するか、短い距離や家の中の体操に切り替えることを考えましょう。

  • 雪が降っている日と、その後の数日間で、いつもの道に雪や氷が残っている日(東京消防庁)
  • 気温がプラスになったあとに急に冷え込んだ日や、雨のあとに冷え込んだ日(札幌の協議会が挙げる、転倒の多い日の特徴)
  • 氷の上に新雪が積もり、見た目では凍結に気づきにくい日(同)
  • 冷え込みの強い早朝や夜(健康長寿ネット)
  • お酒を飲んだあと(札幌の協議会は、酔っているときは足元への注意が散漫になり、動きも鈍るとしています)
  • 体調がすぐれない日、時間に追われて急いでしまいそうな日

歩けない日が続いても、歩けた日をウォーキング記録カレンダーに付けておくと、天気のよい日に無理なく再開しやすくなります。

冬のウォーキングについてよくある質問

Q. 雪道ではどう歩けば転びにくいですか?

A. 小さな歩幅で、靴の裏全体を路面につけ、体の重心を少し前にして歩きます。いわゆる「ペンギン歩き」です(京都労働局、ウインターライフ推進協議会)。大股やかかとからの着地、急ぎ足は避け、歩き始めや方向を変えるときは特にゆっくり動きましょう。

Q. 冬用の杖(杖用アイスピック)は必要ですか?

A. テクノエイド協会の資料では、杖が必要な方が冬道で、杖の先に金属製の爪が付いたアイスピックを使っていることが紹介されています。ただし杖メーカーのシナノは、雪道や滑りやすい所での杖の使用を避け、やむを得ない場合は同伴者などの支えを得るよう案内しています。アイスピックは屋内やタイルの床では滑りやすいため、建物に入る前にはね上げるか外しましょう。

Q. ノルディックウォーキングのポールは凍結路でも使えますか?

A. 使う場合は、アスファルトパッド(先ゴム)を外して金属の先端で路面をとらえ、屋内や雪のない舗装路に入る前にパッドを付け直します。ふだんの「大きめの歩幅・かかとからの着地」はやめ、ペンギン歩きに切り替えてください。ポールがあっても凍結路で転ばないわけではないので、凍結の強い日は延期も選択肢です。

Q. 雪がやんだら、すぐにウォーキングを再開してもいいですか?

A. 東京消防庁によると、降雪時だけでなく降雪後の数日間も、路面凍結などで転倒事故が起きています。東京では午前7時台・8時台の搬送が多くなっています。雪がやんでも数日間は、凍結が残っていない時間帯と道を選びましょう。

Q. 靴の滑り止めを付けたまま、お店や駅に入ってもいいですか?

A. 金属ピン付きの滑り止めやピン付きの冬靴は、タイル張りの床では逆に滑りやすくなります(ウインターライフ推進協議会)。建物に入る前に外し、靴の裏の雪や氷もしっかり落としてから入りましょう。

まとめ|冬は「小さな歩幅・足裏全体・急がない」

雪道・凍結路では、小さな歩幅で、靴の裏全体をつけ、重心を少し前にして歩くペンギン歩きが基本です。横断歩道の白線やマンホール、駐車場の出入口、店の入口などの滑りやすい場所と、降雪後の数日間・朝の通勤時間帯・夕方の再凍結といった時間帯を知っておくと、避けられる危険が増えます。靴の滑り止めや杖用アイスピック、ポールの金属の先端は、路面に合わせて付け外しして使う道具です。そして、凍結の強い日は休むことも、冬のあいだ歩き続けるための大切な選択です。

参考にした情報源

  • 東京消防庁「積雪や凍結路面に係る救急事故に注意しよう」(2025年12月17日更新)https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/nichijo/snow.html
  • 東京都生活文化局「雪道や凍結路面での転倒事故に注意!」(危害・危険情報、2016年)PDF
  • ウインターライフ推進協議会「転ばないコツ」(札幌):滑りやすい場所を知る、転びにくい冬みちの歩き方、転びやすい人はこんな人、冬みち歩きの靴選び、転ばないための便利グッズ、冬みちを安全・快適に歩く服の選び方、つるつる路面の発生条件、転んでケガをしない体づくりhttps://tsurutsuru.jp/
  • ウインターライフ推進協議会「冬みち転倒による救急搬送統計」(データ提供:札幌市消防局)https://tsurutsuru.jp/toukei1.html、「冬みち転倒事故多発日」https://tsurutsuru.jp/toukei3.html
  • 京都労働局「積雪・凍結した通路・路面による転倒災害を防止しましょう」(令和7年11月)PDF
  • 北九州西労働基準監督署(福岡労働局)転倒しにくい歩き方リーフレットPDF
  • 東近江労働基準監督署(滋賀労働局)「冬季の転倒災害防止対策のポイントはこれだ!」PDF
  • 相模原労働基準監督署(神奈川労働局)「冬期(特に降雪・路面凍結時)の転倒災害等防止対策について」PDF
  • 健康長寿ネット(長寿科学振興財団)「冬の寒い時の運動の注意点」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-shougai/samui-undou.html
  • テクノエイド協会 ニーズ・シーズマッチング資料「冬の屋外で安全に使える杖先ゴム(仮称)」(北海道ATAサテライト)PDF
  • シナノ 杖の取扱説明書(カイノス)https://kainos.jp/usersmanual.php
  • シナノ「トレッキングポールの使い方」https://sinano.co.jp/suntrace/usetrekking.php
  • 日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)「用具」https://jnfa.jp/about-nw/start-nw/tool.html
  • キャラバン「LEKI 取扱説明書 注意事項」https://www.caravan-web.com/brand_leki/brand_leki_manual02/

製品の仕様は、各商品のAmazonの商品ページの表記で確認しました(2026年10月時点)。仕様や販売状況は変わることがあります。

執筆:イェウヘン・ポリシュク(2026年10月)。統計や製品の情報は更新されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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