インターバル速歩のやり方と効果|早歩き3分・ゆっくり3分の続け方【50代から】

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執筆:イェウヘン・ポリシュク。本記事は、信州大学・NPO法人熟年体育大学リサーチセンターの公開資料、医学誌に掲載された論文の抄録(Europe PMCで確認)、公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」など、公開されている情報をもとにまとめた一般的な情報です。医療上の助言ではありません。持病のある方や運動に不安のある方は、始める前に医師にご相談ください。

「ただ歩くだけでは、体力がついている気がしない」「ジムに通うほどではないけれど、何か始めたい」——そんな50代以上の方に知っていただきたいのがインターバル速歩です。信州大学の能勢博氏らの研究グループが考案した歩き方で、早歩き(速歩)とゆっくり歩きを3分ずつ交互に繰り返します。特別な道具はいらず、いつもの散歩道でその日から始められます。この記事では、インターバル速歩のやり方・効果・続け方を、研究グループの公開資料と論文をもとにわかりやすく解説します。

先に結論:インターバル速歩とは

  • やり方:「ややきつい」と感じる早歩きを3分、ゆっくり歩きを3分。これを1セットとして1日5セット以上、週4日以上行います(信州大学・熟年体育大学リサーチセンター)。
  • 目安の量:早歩きの合計が1日15分以上・週60分程度。研究では週約50分を超えると効果の伸びは頭打ちでした(Masuki ら 2019年)。
  • 効果:平均63歳の246人を対象にした研究では、5か月で太ももの筋力(膝を伸ばす力)が13%、持久力(最高酸素摂取量)が9%増え、1日8,000歩以上の一定ペース歩行より大きな伸びでした(Nemoto ら 2007年)。
  • 注意:心臓・肺の病気などがある方は、始める前にかかりつけ医に相談を。膝や腰が痛むときは速さや時間を落として調整します(健康長寿ネット)。

インターバル速歩とは|早歩きとゆっくり歩きを3分ずつ交互に

インターバル速歩とは、「速歩(さっさか歩き)」と「ゆっくり歩き」を3分間ずつ交互に繰り返す歩き方です。NPO法人熟年体育大学リサーチセンターのウェブサイトに掲載された能勢博氏のインタビューによると、速歩はその人の最大体力(最高酸素摂取量)の70%以上に相当する強さ、ゆっくり歩きは40%程度以下の強さとされています。

ポイントは「速さ」を人と比べるのではなく、自分にとって「ややきつい」強さで歩くことです。同じ速さでも、体力のある人には楽で、体力の低い人にはきつく感じます。インターバル速歩は、それぞれの体力に合わせた強さで歩けるように考えられた方法です。

項目内容出典
1セット速歩3分+ゆっくり歩き3分(計6分)熟年体育大学リサーチセンター
1日の量5セット以上(速歩の合計15分以上)Nemoto ら 2007年/信州大学
頻度週4日以上Nemoto ら 2007年/信州大学
研究での期間多くの研究で5か月間(4か月間の研究もあり)信州大学/Morikawa ら 2011年
速歩の強さ最大体力の70%以上(「ややきつい」)熟年体育大学リサーチセンター

インターバル速歩のやり方|今日からできる5つのステップ

基本のやり方は次のとおりです。1セット6分なので、5セットで約30分。いつもの散歩の時間をそのまま使えます。

インターバル速歩の手順(1回=約30分)

  1. 準備:歩きやすい靴をはき、水分を用意します。足首やふくらはぎを軽く動かしてから歩き始めましょう。3分ごとに区切れるよう、腕時計やスマートフォンのタイマーを準備します。
  2. 早歩き3分:背すじを伸ばし、いつもより歩幅を少し広げて、「ややきつい」と感じる速さで歩きます。軽い会話ならなんとかできる程度が目安です。
  3. ゆっくり歩き3分:呼吸を整えながら、楽な速さで歩きます。止まらずに歩き続けるのがポイントです。
  4. 5セット繰り返す:「早歩き3分→ゆっくり3分」を5回。早歩きの合計が15分になります。
  5. 記録する:歩いた日とセット数を記録します。研究グループは、週4日以上を目安にしています。

※連続で5セットできなくても大丈夫です。熟年体育大学リサーチセンターは、速歩が1日合計15分以上になればよいとしており、朝と夕方に分けても構いません。信州大学のi-Walk紹介ページでは、体力に自信のない方は早歩きを2分間、または1分間にしてもよいとされています(1日合計15分以上が目安)。

早歩きのフォームのコツ

  • 目線は前に:足元ばかり見ず、少し先を見るようにすると背すじが伸びやすくなります。
  • 歩幅を少し広く:かかとから着地し、いつもより半歩ほど大きく踏み出すイメージで。
  • 腕をしっかり振る:ひじを軽く曲げて後ろに引くと、自然にテンポが上がります。

こうしたフォームは一般的なウォーキングの基本です。ポールを使うノルディックウォーキングの基本姿勢は、ノルディックウォーキングの始め方ガイドで詳しく紹介しています。

「早歩き」とは?速度・時速より「ややきつい」が目安

「早歩きは時速何キロ?」とよく聞かれますが、インターバル速歩では決まった速度や時速はありません。基準は、その人の最大体力の70%以上という「相対的な強さ」です(熟年体育大学リサーチセンター)。そのため、同じ「早歩き」でも人によって速さが違って当然です。

わかりやすい目安として、能勢博氏はインタビュー(日テレ共創ラボ、2025年12月)で次のように説明しています。

  • 軽い会話ができるくらいの速さで5分ほど歩くと汗ばんでくる程度が、おおよそ最大体力の70%
  • 早歩きを2分ほど続けると「もう嫌だ」と感じるくらいがよい

健康長寿ネット(能勢博氏監修)でも、速歩は「ややきつい」と感じる程度で行うよう案内されています。息が切れて話せないほど速く歩く必要はありません。参考までに、ご自分の早歩きが時速何キロくらいかは、歩いた距離とかかった時間からペース・時速計算ツールで計算できます。

30分のインターバル速歩で何歩・何キロ・何kcal?

当サイトの歩数→距離・消費カロリー換算ツールと同じ計算式(歩幅=身長×0.45、所要時間(分)=歩数÷100、消費カロリー=METs×体重kg×時間×1.05、国立健康・栄養研究所「改訂第2版 身体活動のメッツ(METs)表」〈2024年〉の「散歩」3.5METs・ノルディックウォーキング〈時速4.0〜5.6km〉4.3METs)で、身長160cm・体重60kg(65歳未満)の方が30分歩いた場合の目安を出すと次のようになります。65歳以上の方は、換算ツールと同じく歩幅にさらに0.95を掛けて計算するため、歩幅は約68cm、距離は約2.1kmになります(歩数と消費カロリーは同じです)。

項目30分(5セット)の目安計算
歩数約3,000歩30分×毎分100歩
距離約2.2km3,000歩×歩幅72cm(160cm×0.45)
消費カロリー(通常歩行 3.5METs)約110kcal3.5×60kg×0.5時間×1.05
消費カロリー(ノルディックウォーキング 4.3METs)約135kcal4.3×60kg×0.5時間×1.05

※この計算は平均的なペースを前提にした目安です。早歩きの区間は歩幅も歩数も増えるため、実際の値は歩き方によって変わります。ご自身の身長・体重で計算したい方は換算ツールをお使いください。

インターバル速歩の効果|研究でわかっていること

インターバル速歩は、信州大学の研究グループを中心に中高年の方を対象とした研究が重ねられています。主な結果を、論文の抄録で確認できた範囲で紹介します。

筋力・持久力・血圧(2007年の比較研究)

平均63歳の246人(男性60人・女性186人)を3つのグループに無作為に分けた5か月間の研究(Nemoto ら、Mayo Clinic Proceedings 2007年)では、インターバル速歩のグループで膝を伸ばす筋力が13%、膝を曲げる筋力が17%、歩行での最高酸素摂取量が9%増えました。脚の筋力が上がった、つまり「早歩きで脚の筋肉が鍛えられた」ことを示す結果です(筋肉の量そのものを測った研究ではありません)。いずれも「最大体力の約50%の強さで1日8,000歩以上歩く」グループより有意に大きな増加で、安静時の収縮期血圧(上の血圧)の低下もインターバル速歩のグループのほうが大きかったと報告されています。

体力と生活習慣病の指標(2019年の解析)

平均65歳の679人が5か月間行った記録を解析した研究(Masuki ら、Mayo Clinic Proceedings 2019年)では、推定最高酸素摂取量が平均14%増加し、生活習慣病の指標をまとめたスコアが平均17%低下しました。また、効果の大きさは週あたりの速歩の時間と関係しており、約50分までは長いほど大きく、それ以上では頭打ちでした。ゆっくり歩きの時間や、歩いた時間の合計とは関係が見られませんでした。

体重・体脂肪・血糖値(2011年の研究)

約65歳の中高年の男女(解析対象 男性198人・女性468人)を対象にした研究(Morikawa ら、British Journal of Sports Medicine 2011年、介入期間4か月)では、インターバル速歩の前後で最高酸素摂取量と太ももの筋力が増え、体重・BMI・体脂肪率・血圧・血糖値が低下しました。変化は、もともと体力の低かった人たちで最も大きかったと報告されています。

骨密度(閉経後の女性、2024年の研究)

骨粗しょう症の薬を使っていない閉経後の女性234人(平均64歳)を対象にした5か月間の研究(PLoS One 2024年)では、もともと骨密度が低かった人で腰椎の骨密度が1.8%、大腿骨頸部が1.0%増加し、骨密度が高かった人では有意な変化はなく、維持されていました。有害事象はごくわずかだったと報告されています。骨と運動の関係については骨粗鬆症とノルディックウォーキングもあわせてご覧ください。

海外の研究:2型糖尿病の方の血糖値

デンマークの別の研究グループ(Karstoft ら、Diabetes Care 2013年)は、2型糖尿病の方32人を対象に、3分ごとに低い強さと高い強さを交互に行うインターバル歩行(1回60分・週5回・4か月)を調べました。インターバル歩行のグループでは最大酸素摂取量が約16%増え、体脂肪と、持続血糖測定での平均・最大血糖値が低下しました。消費エネルギーをそろえた一定ペースの歩行グループでは、血糖コントロールに変化はありませんでした。

「体力20%向上」という数字について

信州大学や熟年体育大学リサーチセンターは、5か月間で「体力が最大20%向上」「生活習慣病の指標が約20%改善」と要約しています。これは研究グループによるまとめの表現で、上で紹介した論文の平均値(9%、14%、17%など)とは異なります。「誰でも20%上がる」という意味ではない点に注意してください。

このほか、健康長寿ネット(能勢博氏監修)では、膝関節痛について約50%の人が「良くなった」と回答したことや、気分の落ち込みの指標が改善したことなども紹介されています。ただし、これらは研究グループによる紹介で、筆者は元の論文を確認できていません。

普通のウォーキングと早歩きの違い|歩数より「速歩の時間」

研究グループは、いつものペースのウォーキングでは運動の強さが足りず、体力の向上につながりにくいと説明しています(熟年体育大学リサーチセンター)。実際、上で紹介した2007年の研究では、中くらいの強さで1日8,000歩以上歩いたグループよりも、インターバル速歩のグループのほうが筋力・持久力の伸びが大きい結果でした。2019年の解析でも、効果を左右したのは歩いた時間の合計ではなく、速歩の時間でした。

いつものウォーキングインターバル速歩
歩き方一定の楽なペース早歩き3分とゆっくり歩き3分を交互に
目安にするもの歩数(1日○歩)速歩の時間(1日15分以上・週60分程度)
強さ楽〜中くらい速歩は「ややきつい」(最大体力の70%以上)
研究での比較1日8,000歩以上のグループ筋力・持久力の増加がより大きかった(Nemoto ら 2007年)

とはいえ、歩数を増やすこと自体にも意味があります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、1日の歩数の目安を成人で約8,000歩以上、高齢者で約6,000歩以上としています。ふだんの歩数は歩数計で確保し、そのうち週4日ほどをインターバル速歩にする、という組み合わせが無理なく続けやすいでしょう。歩数を測る道具は、後半の「アプリ・歩数計・スマートウォッチ」の章で紹介します。

インターバル速歩の続け方|50代からの週間プラン例

研究で用いられた量(1日5セット・週4日以上)にいきなり取り組むと、体がついていかないこともあります。以下は、筆者が研究の目安をもとに作った段階的な進め方の一例です。研究そのものが示した手順ではありません。体調に合わせて、ゆっくり進めてください。

時期1日のセット数週の日数速歩の合計(週)ポイント
1〜2週目3セット(約18分)3日約27分「ややきつい」速さを体でつかむ
3〜4週目4セット(約24分)4日約48分週4日のリズムを作る
5週目以降5セット(約30分)4日約60分研究の目安に到達。これを5か月続ける

1週間の組み立て例(5週目以降):

月火水木金土日
5セットふつうの散歩5セット休み5セット5セット休み・ストレッチ

平日に時間が取れない方へ:熟年体育大学リサーチセンターは、週末にまとめて週60分の速歩を行う選択肢にも触れています。能勢博氏もインタビュー(日テレ共創ラボ)で、速歩の合計が週60分あたりで効果はほぼ横ばいになり、まとめて行っても分けて行ってもよいと述べています。

続けるための3つの工夫

  • 記録を目に見える形に:歩いた日に印をつけるだけでも続けやすくなります。当サイトのウォーキング記録カレンダーは印刷して使えます。
  • いつもの予定に組み込む:買い物や通院の行き帰りなど、すでにある外出に1〜2セットを足すと習慣になりやすくなります。
  • 一緒に歩く人を見つける:家族や友人と曜日を決めて歩くと、休みがちな日も出かけるきっかけになります。

運動を習慣にするコツ全般は、50代からの運動習慣の作り方で詳しくまとめています。

高齢者が気をつけたいこと|早歩きのデメリットと対策

インターバル速歩の研究には高齢の方も多く参加していますが、「ややきつい」運動である以上、無理は禁物です。健康長寿ネット(能勢博氏監修)の案内をもとに、注意点をまとめます。

  • 持病のある方は事前に医師へ相談:心臓や肺の病気がある方、脳卒中・パーキンソン病・水頭症などの診断を受けたことがある方は、実施してよいかかかりつけ医に相談するよう案内されています。
  • 膝や腰の痛み:膝痛・腰痛が日常的にある場合も無理のない範囲で行い、痛みが悪化するときは休む、スピードを落とす、時間を短くするなどで調整します。能勢博氏も、悪化する場合は速さや頻度を落として自分に合う量を見つけるよう述べています(日テレ共創ラボ)。
  • 転倒・暑さへの配慮:早歩きの区間は、段差が少なく人通りも少ない平らな道を選ぶと安心です。夏は涼しい時間帯を選び、こまめに水分をとりましょう。

早歩きのデメリットとして考えられるのは、ふだんより膝や足首にかかる負担が増えることと、疲れやすくなることです。能勢博氏はインタビューで、関節痛が悪化したのは全体の約4%だったと述べています(口頭での説明で、筆者は論文を確認できていません)。痛みを我慢して続けるのではなく、「楽に続けられる量から少しずつ」が基本です。

インターバル速歩のアプリ・歩数計・スマートウォッチ

インターバル速歩は、3分を計れる時計さえあれば始められます。そのうえで、記録や時間の区切りに役立つ道具を紹介します。

研究で使われた機器と専用システム

2007年の研究では、インターバル速歩のグループは加速度計(活動量計)で運動の強さを管理し、比較の一定ペースのグループは歩数計で1日8,000歩以上を確認していました(Nemoto ら)。信州大学や熟年体育大学リサーチセンターは、専用の活動量計(熟大メイト、のちの「i-Walk Pro」)で最大体力を測り、日々の運動の強さを記録する仕組みを紹介しています。

インターバル速歩のアプリ(無料)

App Storeには、無料の「インターバル速歩」アプリ(販売元:株式会社グラムスリー)があります。ストアの説明によると、体力測定・トレーニング・履歴の機能があり(2025年12月更新、iOS 12以降)、バックグラウンドでGPSを使うため電池の消費が早いという注意書きもあります。また、信州大学大学院医学系研究科の能勢博教授の監修、NPO法人熟年体育大学リサーチセンターの協賛と記載されています。アプリを使わない場合は、スマートフォンのタイマーを3分ごとに鳴らすだけでも十分に区切れます。

Apple Watchの場合:Appleのユーザガイドによると、「ワークアウト」アプリのカスタムワークアウトでは「ワーク」と「回復」のインターバルを時間で設定でき、複数追加できます。カスタムワークアウトは「マルチスポーツ」と「スイミング(オープンウォーター)」を除くすべての種類のワークアウトで使えるとされているため、ウォーキングで「ワーク3分・回復3分」を5回分登録すれば、インターバル速歩の区切りとして使えます。ただし、早歩きの強さの基準はあくまで自分が「ややきつい」と感じるかどうかです。

インターバル速歩に使える歩数計・スマートウォッチ

ふだんの歩数と早歩きの記録を残したい方向けに、筆者がメーカーの公表情報や商品ページの表記を確認した機器を紹介します。順位はつけていません。仕様は変更されることがあるため、購入前にAmazonの商品ページでもご確認ください。

早歩き時間も評価できる歩数計(山佐)

山佐 万歩計 アクティブ万歩 TH-300

主な仕様:3D加速度センサー搭載、歩数と早歩き時間からウォーキングの実施状況を棒グラフで評価する機能、歩数/歩行距離・消費カロリー・カレンダー・時計を表示、今日・1〜30日前・30日間平均値のメモリ、約75×33.5×10.8mm、約23.5g(電池含む)、CR2032電池で約1年(通常使用時)

こんな方に:充電のいらない歩数計で、1日の歩数と「早歩きできたか」をまとめて確認したい方

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手首に着けるフィットネストラッカー(Fitbit)

Fitbit Inspire 3

商品ページの表記:心拍計、睡眠の記録、iPhone・Android対応、最大10日間のバッテリー

こんな方に:スマートフォンのアプリで歩数や心拍数の記録を振り返りたい方。心拍数は「ややきつい」を確かめる参考のひとつになります

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歩数計の種類や付け方は歩数計(万歩計)の選び方、手首に着けるタイプの比較はウォーキング向けフィットネストラッカーの選び方で詳しく紹介しています。

ノルディックウォーキングとインターバル速歩を組み合わせるには

インターバル速歩とノルディックウォーキングを直接比べた研究は、筆者が調べた範囲では見つかりませんでした。一方、ノルディックウォーキングは、ポールなしで同じ距離(1,600m)を歩いた場合より、1分あたりのエネルギー消費が約17〜21%多かったという報告があります(Church ら 2002年)。国立健康・栄養研究所の改訂第2版メッツ表(2024年)では、時速4.0〜5.6kmのノルディックウォーキングが4.3METs、時速4.5〜5.5kmの通常歩行が3.8METsで、同じくらいの速さなら約1.1倍です。

そのため、ポールを使って早歩き区間を歩けば「ややきつい」強さに届きやすくなる可能性はあります。ただし、インターバル速歩の効果にさらに上乗せされるかどうかは確かめられていません。ポールを使う場合も、基準はあくまで「ややきつい」と感じるかどうかです。まずはポールなしで3分交互のリズムに慣れ、慣れてきたらポールを取り入れる、という順番がおすすめです。ポールの使い方は、前半で紹介した始め方ガイドをご覧ください。

よくある質問

Q. インターバル速歩は1日何分やればいいですか?

早歩き3分+ゆっくり歩き3分を1セットとして、1日5セット(約30分)以上、週4日以上が研究で用いられた目安です(Nemoto ら 2007年/信州大学)。早歩きの合計が1日15分以上になれば、分けて行っても構いません(熟年体育大学リサーチセンター)。

Q. 早歩きは時速何キロくらいですか?

決まった時速はありません。インターバル速歩の早歩きは、その人の最大体力の70%以上という「ややきつい」強さが基準です(熟年体育大学リサーチセンター)。軽い会話ができる速さで5分ほど歩くと汗ばむ程度が目安と説明されています(能勢博氏、日テレ共創ラボ)。

Q. 効果はどのくらいで出ますか?

多くの研究は5か月間続けた結果です。平均63歳の方を対象にした研究では、5か月で膝を伸ばす筋力が13%、持久力(最高酸素摂取量)が9%増えました(Nemoto ら 2007年)。変化の大きさには個人差があります。

Q. 高齢者でもインターバル速歩をしてよいですか?

紹介した研究の参加者は、平均年齢が60代でした。ただし、心臓や肺の病気がある方、脳卒中・パーキンソン病・水頭症などの診断を受けたことがある方は、事前にかかりつけ医に相談するよう案内されています(健康長寿ネット)。膝や腰が痛むときは、速さや時間を落として調整しましょう。

Q. 1日8,000歩歩いていれば、インターバル速歩は必要ありませんか?

歩数を確保することは大切です(厚生労働省のガイドでは成人約8,000歩以上、高齢者約6,000歩以上が目安)。ただ、2007年の研究では、1日8,000歩以上の一定ペース歩行よりインターバル速歩のほうが筋力・持久力の伸びが大きく、2019年の解析では効果を左右したのは速歩の時間でした(Masuki ら)。歩数に加えて、週60分程度の速歩を取り入れるのがおすすめです。

Q. インターバル速歩に無料のアプリはありますか?

App Storeに無料の「インターバル速歩」アプリ(販売元:株式会社グラムスリー)があり、体力測定・トレーニング・履歴の機能があると説明されています。GPSを使うため電池の消費が早い点に注意が必要です。スマートフォンのタイマーを3分ごとに鳴らす方法でも実践できます。

まとめ|「ややきつい3分」を週4日、5か月

インターバル速歩は、早歩き3分とゆっくり歩き3分を交互に、1日5セット・週4日以上行う歩き方です。研究では、一定ペースで1日8,000歩以上歩くよりも筋力や持久力が大きく伸び、効果を左右したのは歩数ではなく「速歩の時間」でした。速さの基準は人と比べず、自分が「ややきつい」と感じるかどうか。最初は3セットから始め、体調を見ながら週60分程度の速歩を目指しましょう。持病のある方は、始める前にかかりつけ医にご相談ください。

参考にした情報源

  • NPO法人 熟年体育大学リサーチセンター「インターバル速歩」能勢博インタビュー熟年体育大学リサーチセンター
  • 信州大学 研究ハイライト(2025年2月、増木静江)信州大学
  • 信州大学 先鋭領域融合研究群 特設ページ(i-Walk)信州大学
  • 信州大学「進化したインターバル速歩 i-Walkシステム」信州大学
  • Nemoto K, et al. Effects of high-intensity interval walking training on physical fitness and blood pressure in middle-aged and older people. Mayo Clin Proc. 2007;82(7):803-811.Europe PMC
  • Masuki S, Morikawa M, Nose H. Mayo Clin Proc. 2019(PMID 31477320)Europe PMC
  • Morikawa M, et al. Br J Sports Med. 2011;45(3):216-224(PMID 19846423)Europe PMC
  • Karstoft K, et al. Diabetes Care. 2013;36(2):228-236(PMID 23002086)Europe PMC
  • PLoS One. 2024;19(9):e0309936(PMID 39236022)閉経後女性の骨密度Europe PMC
  • Church TS, Earnest CP, Morss GM. Field testing of physiological responses associated with Nordic Walking. Res Q Exerc Sport. 2002;73(3):296-300(PMID 12230336)Europe PMC
  • 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「インターバル速歩の効果」健康長寿ネット
  • 日テレ共創ラボ「人生が変わる!インターバル速歩④」(2025年12月1日)日テレ共創ラボ
  • App Store「インターバル速歩」(株式会社グラムスリー)App Store
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要)」PDF
  • 国立健康・栄養研究所「改訂第2版 身体活動のメッツ(METs)表」成人版(2024年)PDF
  • Apple「Apple Watchでカスタムワークアウトを作成する」(Apple Watchユーザガイド)Appleサポート
  • 山佐時計計器 TH-300 製品ページ製品ページ

執筆:イェウヘン・ポリシュク(2026年9月)。論文の内容は抄録で確認した範囲で紹介しています。研究の結果は参加者の平均値であり、すべての方に同じ効果を保証するものではありません。

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